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2017年9月のひとりごと③

 校庭に立派な栗の木があります。
 放課後に、たくさん栗を拾った子が、野球の練習の帰りに、
 「たくさん拾って重たいから、先生にもあげる。」
と言って、おすそ分けしてくれました。
 「重たいから…」と言ったのは、私が遠慮しないように言ってくれた、やさしさから出た言葉なのではないかなと思います。

 校庭に栗の木があることは、子どもたちはみんな知っていますが、校庭の栗の実を食べたことがある子は、あまり多くはないのではないかと思い、その子にもらった栗は、家に持って帰らずに、次の日に、家庭科室でゆでて、学級のみんなで食べることにしました。

 次の日になり、家庭科室でゆでて、そのあと、教室に持っていき、みんなで栗を食べ始めました。
 食べるときに、皮をむくのが、なかなか面倒なので、私も含め、多くの子どもたちは、皮ごと噛んで栗を割って、その中身を食べるといった感じの雑な食べ方をしていたのですが、何人かは、ていねいに手で皮をむいて食べていました。
 特に、ていねいに、形をこわさずにむいている子がいて、「指先が痛い。」と言いながら、時間をかけて、皮のない、きれいな丸い形の栗の実にしていました。
 そして、やっとむき終わったその栗の実を「はい。」と、となりの子にあげてしまいました。
 その様子を見ていて、何年か前の新聞記事(読者の声のようなコーナー)を思い出しました。

 その記事の内容は、次のような感じでした。

 親戚の人たちが何人も集まって、毛ガニを食べているときに、そこにいた小学生の男の子が殻をむいて、食べずに、黙々と皿にカニの身をためていたそうです。それを見た口の悪いおじさんたちが、
 「そうやってためておいて、みんなが食べ終わった頃に、いいだろうとい
  う顔をして食べるんだろう。」
と言ったそうです。そう言われても、男の子は、黙々と殻をむき続けたそうです。そうしているうちに殻をむき終わり、その子はおばあちゃんのとなりへ行ったそうです。そして、「はい。」とそのカニの身の入った皿をおばあちゃんに渡したそうです。その様子を見て、周りの大人たちは、恥ずかしくなったという内容の記事でした。

 栗を友達にあげた子も、カニをおばあちゃんにあげた子も、誰かに喜んでもらう行動をしているなぁ、やさしい子だなぁ、と思いました。


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2017年9月のひとりごと②

 放課後、職員室にいると、
 「カギの落し物が届いていませんか?」
と子どもが訪ねてきました。
 話を聞いてみると、自分のカギではなく、友達のカギを探しているということです。
 外へ行って、探していると、カギをなくした本人もやって来て、更に詳しく話を聞いてみると、手にカギを握って学校の玄関を出たということがわかりました。そして、家の近くまで来てから、そういえば、手に握っていたはずのカギがないということに気づいたそうです。そこで、下校中にどこかで落としたのではないかと思い、探しながら学校まで戻ってきたということでした。
 職員室に訪ねてきた子のほかに、5、6人の子どもたちが、学校に戻りながら、いっしょに探していました。
 もし、私がカギをなくした小学生で、1人でカギを探していたとしたら、なかなか不安な気持ちになったと思います。
 そのときに、友達が、わざわざ、いっしょに学校まで戻りながら探すって、なかなかすごいことだなと思います。
 職員室に来た子が、外で、私とカギをなくした子との会話を聞いているうちに、玄関を出たあと、学級園にトマトを見に行ったことを思い出し、すぐに、学級園に探しに行ってくれました。
 カギは無事に見つかりました。

 こんなに自然に、困ったときに助け合うという行動ができるのは、きっと、子どもたちは、自分たちの住んでいる地域の大人が、助け合って暮らしている様子を普段から見てきているからなのではないかなと思います。

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2017年9月のひとりごと

 マラソン大会が終わりました。
 毎年、マラソン大会前は、全校児童で、朝のマラソンに取り組んでいます。その時に、自分の走ったグラウンドの周数を記録するために、マラソンカードを使っています。
 今年の係の先生が作ったそのマラソンカードが、今年はひと工夫されていました。
 数字がついていて、すごろくのように、色を塗りながら進んで行きます。そのすごろくは、都道府県になっていて、「青森まで来た。」とか「もうすぐで高知だ。」とか言いながら練習に励んでいました。
 以前、私が係だったときに作ったカードも、そこまでは、そんな感じだったのですが、今年のカードは、途中途中に、「○○先生と握手する。」というのが入っていました。
 取り組み始めてから、何日かすると、私と握手をする周数に達したいろいろな学年の子どもたちが「握手をしてください。」と言って、休み時間に廊下を歩いていると近づいてきました。
 その言い方が、子どもによって違っていて、なかなかおもしろかったです。
 恥ずかしそうに、握手を求めてくる子ども、しっかりとこちらの目を見て、手を握り返してくる子ども、なかには、「先生は、ぼくと握手できるよ。」と言ってくる子どももいました。(その子には、「握手させて頂きます。」と言って握手をしました。)
 マラソンの取り組み以外でも、これまでにも、握手やハイタッチを交わした子はいますが、このマラソンカードの取り組みを通して、「この子と握手をするのは初めてだな。」という子どももたくさんいました。
 子どもたちとのコミュニケーションが深まるいいカードだなと思いました。
 授業の進め方、子どもへの声のかけ方など、他の先生方がやっていることを参考にさせてもらうことがいろいろあるのですが、このカードを見て、カードひとつ作るにも、これまで通り作るのではなく、ひと工夫してみる事が大切だということを改めて感じました。


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2017年8月のひとりごと②

 自己開示メッセージの続きです。
 例えば、小数のわり算の筆算で、あまりが出たときに小数点をどうしたらよいのかがよく理解できなかった子に、中休みを使って、教室でそのことを教えていたとします。同じ教室で、やはり、中休みに、別の子どもたちが、全校集会に向けて、CDをかけて、ダンスの練習を始めたとします。
 その時に、
 「うるさいから静かにして。」
と言うのではなく、
 「明日、算数のテストがあるんだけれど、あまりが出たときに小数点をど
  うしたらよいか、よくわからないようなんだ。だから、今教えているん
  だけれど、CDの音が大きくて気が散って困っているんだ。」
と伝えるのが、自己開示メッセージです。そうすると、
 「このぐらいの大きさならいい?」
とボリュームを小さくする子どもがいるかもしれません。または、
 「中休みはわり算の復習で教室を使って、昼休みはダンスの練習で教室を
  使うというのはどう?」
と交渉に出る子どもがいるかもしれません。または、
 「ダンスの練習はプレイルームでしようと思います。」
と場所を変える子どもがいるかもしれません。
 「静かにして。」だけだと、言われたほうは、そうさせられた感が強いと思うのですが、自己開示メッセージで伝えられた相手は、自分で決定した感があるのではないかと思います。
 と言っている私ですが、「うるさいから、静かにして!」みたいな言い方になることもよくあります。
 オウム返しの聴き方、自己開示メッセージの話し方、時々意識したいなと思っています。 



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2017年8月のひとりごと

 前回の「ひとりごと」で、オウム返しに返す話の聴き方のことを書きました。
 しかし、いつでも、それで問題が解決するというものでもありません。
 忘れ物の多い子どもが、
 「彫刻刀を忘れました。」
と言ってきたときに、
 「そうか、彫刻刀を忘れたんだね。」
と返していても、忘れ物が少なくなるとは思えません。
 ここは、聴くだけでなく、こちらの思いを話さなければなりません。その時に、
 「今すぐ家に帰って彫刻刀を持ってきなさい。」
と一方的に言うのではなく、そのことで自分はどう感じたのかということを伝える話し方を自己開示メッセージといいます。
 例えば、
 「また、次も彫刻刀を忘れてくると、卒業作品展に間に合わなくなるかもしれない。そうすると、全員の作品がそろわなくて困るんだ。」
と、こちらの気持ちを伝えます。そうすると、
 「明日は図工がないけれど、明日、彫刻刀を持ってきて、昼休みに今日の分を彫ります。」
という子どもがいたり、
 「家に帰ったら、カレンダーに彫刻刀と書いておきます。」
という子どもがいたり、手の甲にマジックで、「彫刻刀」と書いたりする子どももいます。
 こちらの思いを伝えることで、相手にやらされるのではなく、自分から行動を起こすことが期待できるのが、自己開示メッセージです。


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2017年7月のひとりごと③

 今回は、アクティブリスニングという話の聞き方のことを書きたいと思います。
 アクティブリスニングという聞き方は、聞きながらオウム返しに繰り返したり、時々、「こういうことなんだね。」とまとめてあげたりして聞く聞き方です。

 20年以上前に、前々任校で、高学年の担任をしていたときに、こんなことがありました。A子さんの後ろの席にB子さんが座っていました。くじ引きで席替えをすることになり、くじを引いたA子さんは、C子さんのとなりの席に決まりました。
 次の日、A子さんが私のところにやってきて、「B子ちゃんが私に手紙をくれたの。手紙には、A子ちゃんなんて大きらい、もう絶交だ、と書いてあったの。」と訴えてきました。
 アクティブリスニングを教わる前の私なら、A子さん、B子さんをすぐに呼んで、事実関係を確認して、「どうしてそんなことを書いたんだ?」と質問をして、謝らせていたと思うのですが、A子さんの話をもう少し聞いてみようと思いました。

 私  「Bちゃんに、絶交だという手紙をもらって、困っているんだね。」

 A子「そうなの。この前、席替えがあったでしょ。そのくじ引きをした時に、わたし、Cちゃんの
    となりの席のくじを引いたの。」

 私 「うん、うん、Cちゃんのとなりの席になったよね。」

 A子「わたし、くじを引いた時、うれしくて、やったぁ、Cちゃんのとなりだぁ、と言ったの。それ
    を今までわたしの後ろの席だったBちゃんが聞いていたから、この手紙をくれたんだと
    思うの。」

 私 「くじ引きをしたときに、A子ちゃんが言ったことが、原因だと思うんだね。」

 A子「そうなの。わたし、Bちゃんとけんかしたわけじゃないんだけど、こんな手紙をくれたとい
    うことは、あの時、わたしが、やったぁ、と言ったのを聞いて、Bちゃん、きっと、やきもち
    を焼いたんだと思うの。」

 私 「Bちゃんは、仲良しのAちゃんがCちゃんのとなりの席になることが決まって、喜んでい
    るのを聞いたから、この手紙をくれたんだと思うんだね。」

 A子「うん、そうなの。わたしは、Bちゃんのことはきらいじゃないんだ。Bちゃんとも仲良しでい
    たいんだ。でも、こんな手紙をもらって、とても悲しかった。そのことを手紙に書いて、B
    ちゃんに渡してみるね、先生。」

と言って、行ってしまいました。

 私は、A子さんに、「こうしたらよい。」というアドバイスをひと言も言いませんでした。
 A子さんの言うことを、ただ、オウム返しに返して、時々、「こういうことなんだね。」とまとめていただけでした。
 でも、A子さんは、自分の気持ちを手紙に書いてB子さんに渡してみるという解決方法を自分で見つけて実行していました。
 後日、A子さんに、その後、どうなったかを訊いてみると、Bちゃんとは、また、もとのようにいい関係になったと、笑顔で教えてくれました。


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2017年7月のひとりごと②

 前回のひとりごとに続いて、話の聞き方のことを書こうと思うのですが、その前に、心理カウンセラーの先生が話していた「悩み」のことを書きたいと思います。
 その先生は、「悩みは人を成長させるもの」と考えているそうです。ですから、話を聞いて、カウンセラーが悩みそのものを解決しようとすることは、その人の成長の機会を奪うことになると、考えるそうです。

 「学校の先生も、親も、子どもの悩みを解決してあげようと思って、ついつい、子どもの悩みそのものを排除しようとすることがあるけれど、それは、子どもの成長の機会を奪うことになる。先生も親も、子どもの悩みを聞いてあげて、子どもが話しているうちに、子ども自身が、自分で考えが整理されてきて、どうしたらよいか、自分で解決方法を考える。それが、子どもの成長につながるのではないか。」

 そんな話をしてくれました。
 
 つまり、悩みそのものを解決しようとするのではなく、まずは、話を聞いてあげることが大事だという話でした。
 そのときに、「聞いてもらっている」と感じる聞き方の1つに、前回の「ひとりごと」に書いた、「人の顔を見て聞く」「うなずきながら聞く」がありますが、更に、アクティブリスニングという聞き方があります。そのことを「7月のひとりごと③」に書きたいと思います。


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2017年7月のひとりごと

 3年生の国語の教科書に「気持ちをつたえる話し方・聞き方」という単元があります。
 先日、その授業をしていて、最後のほうで、いい話し方、聞き方を子どもたちといっしょに、次のようにまとめました。

  ・相手と目を合わせて、話したり、聞いたりする。
  ・うなずきながら聞く。

 そのまとめを黒板に書いているときに、私が20代の頃、先輩の先生が言っていたことを思い出しました。

 その先生は、その時、1年生の担任でした。
 休み時間に、教室でテストのまるつけをしていると、1年生の子どもたちが集まってきて、その先生に、いろいろと話し始めたそうです。その先生は、忙しかったので、まるつけをしながら、「うん、うん。」と聞いていたそうです。
 すると、1人の子どもが、両手で、先生のほっぺたをはさみ、先生の顔を自分のほうに向かせて、
 「先生、ちゃんとこっちを見て聞いて。」
と言ったそうです。
 その先生は、自分の反省として話していたのですが、今でも、私の心の中に残っているその先生からの大事な「教え」です。

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2017年6月のひとりごと

 3年生では、理科で「モンシロチョウの育ち方」の学習をしています。
 「モンシロチョウは、なぜ、キャベツの葉に卵を産むのか。」
と発問すると、
 「モンシロチョウの幼虫がキャベツの葉を食べるから。」
という答えが、すぐに返ってきました。
 そこまでわかれば充分なのですが、ちょっと脱線して、
 「どうして、モンシロチョウのお母さんは、幼虫がキャベツの葉を食べると知っていたのかな?モンシロチョウの学校へ行って、教えてもらったのかな?」
と言ってみました。
 すると、
 「モンシロチョウのおばあちゃんがキャベツの葉に卵を産んだことを、モンシロチョウのお母さんは覚えていたから。」
という答えが返ってきました。予想していなかった答えで、おもしろいことを言うなぁと、思いました。
 本能ということに少し触れたかったので、
 「みんなは、生まれてすぐのときに、お母さんのおっぱいを吸っていたでしょ。そこを吸うと、おいしいものが出てくるということを教えてもらわなくても、生まれてすぐにできたでしょ。どうしてなのかな?」
と言ってみました。
 すると、今度は、
 「お母さんのおなかの中にいるときに、お母さんが心の中で教えてくれていたんだと思う。」
という答えが返ってきました。
 またまた、予想していなかった答えでした。
 ちょっと脱線した話をしても、その反応がとてもよい子どもたちで、授業者の私が、その発言に楽しませてもらうことが、たびたびあります。

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2017年5月のひとりごと②

 授業中、子どもたち同士で、自分のやり方を交流し合ったり、わからないところを教え合ったりする場面を作っています。

 休み時間に行う「挑戦コーナー」を作りましたが、友達同士で、コマの回し方を教え合ったり、けん玉のやり方を教え合ったりしている場面も見かけます。

 学級園を8つに分けて、担当を決めて、○○ファームとか○○ガーデンという名前をつけました。そのファームやガーデンで、農業に詳しかったり、興味が強かったりする子が、苗を植える間隔を教えたり、脇芽を摘むことを教えたり、肥料や水やりのことを教えている場面も見かけます。

 親切に教え、素直に聞いている様子が、とてもいいなと思います。

 これからも、学校が一方的に話を聞くだけの場所ではなく、学び合う場所になるように、授業作りや環境作りをしていきたいと思います。

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プロフィール

かがやき

Author:かがやき
 北海道の小学校教諭です。また、日本メンタルヘルス協会で心理学を学び、基礎心理カウンセラーの資格を頂きました。特別な出来事ではない、日常の学校生活の出来事や感じたことなどをお伝えしていきます。その中で、子育ての参考になることが少しでもあれば幸いです。

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